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はしたない女の子は好きですか?

第2章 ▼本当の本当は


「ん、んんんーっ!!」

口の中にドロっとした苦い液体が吐き出される。この味にはもう大分慣れてきたけれど美味しいと思ったことはない。

「奈津ありがとう気持ちよかった」
「うん…」

水道で口をゆすぐ。ゆすぎおわって彼の元へ戻ると大きく手を広げ、おいでというポーズをとっている。
私は迷わず彼の腕の中へとすっぽり入る。

「奈津も大分うまくなったなー」
「こんだけしたらそりゃね、えへへ」
「それにしてる顔エロいし。普段は真面目な吹奏楽の部長がオレの咥えてくれるなんて、ギャップがエロすぎ」
「もう、恥ずかしいってば」

悠くんが喜ぶから、気持ちいいって言ってくれるから、悠くんのイき顔が可愛いから。
私は悠くんが咥えてと頼んできたら断れない女になっていた。

そりゃ普通にえっちもしたりするが、そのときでも悠くんはわりと受け身で、好きな体位は騎乗位だ。

別に悠くんに不満なんかないけど、私本当は…

「奈津、帰ろうぜ」
「あ、ごめん。私もう少しだけ残ってしなきゃいけないことあって」
「別に待つけど?」
「遅くなっちゃいそうだし、悠くん今日は好きな番組がある日じゃん、見なきゃ」
「……んー。うん、ごめんな。また明日」

悠くんは別れ際に私に軽くキスをすると、ニッと笑って部室から出ていった。

もしかしたら変な匂いとかしちゃってるかも換気しとこう。

私は窓を開けて、入り口のドアも開ける。するとそこに人が立っていた。

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