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はしたない女の子は好きですか?

第2章 ▼本当の本当は


「あ…」

髪はワックスをつけているんだろうか、くしゅくしゅっとオシャレになっている。
背は高くて、色は白くて、端正な顔立ちで。

「神谷先輩」
「久しぶり」

部活にいた時よりオシャレになった先輩を見て、あの時とは少し垢抜けたなと思う。

先輩は部活の先輩で、もう引退はしているのだけど…。

「なんのご用事ですか?」
「もう大学は推薦で受けて決まっちゃってな。少し楽器が吹きたくなって来たんだ」
「え、そうなんですか? おめでとうございます!」

私はぱちぱちと拍手をした。
そしてくるっと振り返り、誰もいない部室をみて少し申し訳ない気持ちになる。

「すみません。もう皆帰っちゃって…」
「いいんだ。楽器吹こうと思っただけだし、大学のこと先生に報告してたらついつい長くなってしまったからな」
「そうなんですか。私まだすることあるので、勝手に吹いて頂けたら」
「うん」

先輩がすっと部室の中へ足を踏み入れる。そしてドアが閉まった。

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