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「Fさんがどれだけ凄い人なのかは
分かりませんが、簡単に調べられるような
ことではないはずです」
「それは行きずりの相手だからとでも
申し上げたいのかしら」

久美は苦虫を潰したような表情を浮かべ
言葉を発することが出来ずにいた。

「先程の威勢はどうしたのかしら。
ま、いいわ。貴女はタクシードライバーという
仕事を完璧にこなすことを自らに科した。
逆を言えば男社会で馬鹿にされることを
嫌った」

独壇場で喋り続けているFは
「失礼」とワインを口にした。