テキストサイズ

MITO

第2章 家政婦修行

 デヴィッドは、自作のノートを見ながら、本日のトレーニングメニューを考えていた。


 だが、1つ腑に落ちない点があった。


「ジャガー、ちょっと」


「どうしたデヴィッド」


「僕が、水戸さん専属の監督なんですよね?」


「そうだが」


「家政婦ですよね?」


「そうだ。なにか問題でもあるか?」


「僕、家事全般、出来ないんですが……」


「そんなの気にすることはない」


「気にするわっ!!」


 それ以前に、もう1つ困ったことがあった。


「それとですね。僕がトイレに入っていたら、う〜う〜言いながら、扉をカリカリ引っ掻くんですよ。トイレかと思って早めに出たら、ただ近くにいるだけとか……」


 デヴィッドの小さな悩み事。それに対してジャガーは一発で答えを出した。


「それは、簡単なことだよ」


「なんですか?」


「卵からヒナが孵る時、ヒナは最初に見た物を親として認識する」


「よく言いますよね……いや、なんか怖いから、それやめて下さい」


「ほら、水戸さんを見てごらん」


 ジャガーが指差す方向に、目を移す。


「……」


 水戸さんは、見ていた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ