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MITO

第2章 家政婦修行

「ジャガー、あれはなつかれているんでしょうか?」


「お前をお母さんと見ているかも知れない」


「いや……あれでは母性本能はくすぐられませんが……」


「いいか、デヴィッド」


 ジャガーは声をきついめに出した。


「お前は、水戸にとって、親であり教育者なんだ。お前が教えてやらなければ、彼女はなにも出来ないんだ」


「いや、その前に、僕がなにも知りません。だって、彼女もいないし、結婚もしてないし、今は一人暮らしですから、母親とも離れてます。家事って、僕はコインランドリーとコンビニ、外食専門っすよ? 水戸さんを家政婦にするって、僕がなにを教えればいいんですか?」


 デヴィッドの心からの訴えに、ジャガーはしばし考える。


「ふむ……まず、この研究室をキレイに掃除するか」


「なんの解決にもなってないっしょ」


「じゃあ、こうしたらどうでしょう?」とボンサンが、間に入る。


「いい方法があるのか、ボンサン」


 デヴィッドに光が射した。


「あぁ、まず、デヴィッドが、プロの家政婦さんからノウハウを習うんですよ。そしたら、一人暮らしのデヴィッドも、自分でいろいろ出来るようになるでしょ」



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