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MITO

第2章 家政婦修行

「なるほど……じゃ、僕でも自炊が出来るってことか」


「そうです。それでしたら、水戸さんにも教えることが出来ますよ」


「そうか、先に僕が習って……ちょっと待て!! いや、危うく騙されるところだった」


 それだったら、水戸さんが直接、家政婦から習えばいいことだ。


「てか、ボンサン。水戸さんに組み込まれている人工知能、大学生並みの一般常識の中に料理は入ってないのか?」


「素人が習う程度なら……辻調理師専門学校の教科分は入ってるはずですよ」


「なら、俺から習う必要ないだろ!!」




 水戸さんは声が出せることが、わかった。だが、言葉を発する機能が、極端に低下している。


「いいかい、水戸さん。僕が言う言葉を繰り返して言ってね」


『ま゙』


「それ……返事になるの? よし、とりあえずはじめるぞ……ありがとう」


『ぶぃ゙』


「はっ?」


『ぶぃ゙』


「……ありがとうだよ?」


『ま゙』


「それでいいのか? 承知いたしました」


『ま゚』


「なんか怖いよ水戸さん……人間の発音してないよ」


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