テキストサイズ

MITO

第2章 家政婦修行

 デヴィッドは、ノートに水戸さんの言葉を書き込むが、なんて言っているのかがわからない。


「いいかい、じゃあ……ハンバーグ」


『コ゚ロ゙ッケ゚』


「はぁ? じゃあ、コロッケ」


『ミ゙ン゚チ'カ゚ツ~』


「訳わからねぇ……じゃあ、僕の本名。滝繁」


『で゙た'が゚り`な゙く゚そ`ぎゃ゚ら゙』







「ボンサン!! デヴィッドを押さえるんだ!! 危ない! カッターナイフを離せ!!」


「デヴィッド、落ち着いて!! 水戸さんには、悪気はないんだよ!!」






 料理の時間。


 科学実験室の端にある台を使って、調理実習。


 講師は、白い割烹着に身を包むデヴィッド。


「えっとね、水戸さん。今度は料理に入るから」


『ま゙』


「料理……今日は初めてだから玉子焼き」


 メニューが発表されると、ボンサンとジャガーは項垂れる。


 この実習で出来上がった物が、彼らのお昼ごはんとなるのだ。


「えっと……玉子と……塩……サラダ油……」


 水戸さんが、デヴィッドの肩をつつく。


「どうした、水戸さん」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ