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MITO

第2章 家政婦修行

 水戸さんは、米油を出した。


「いや……普通、料理にはサラダ油だろ」


『イ゚オ゙ナ゚ズン゙』


「なに言っているのかわからん……ま、これを使いたいんなら、これを使いましょう」


 デヴィッドは玉子を割って、中身をボールに落とすが、上手く割れず、黄身が破けてしまう。


「とりあえず、結局は混ぜるからいいんだけどね」


 水戸さんは、片手でスイスイと玉子を割っていく。


「……まあ、その辺は女性ですから……割ったら混ぜる」


 デヴィッドは菜箸を使って、混ぜる。


 水戸さんは、カラザと呼ばれる白いスジを取り、玉子を箸で切るようにまぜ、黄身と白身を合わせた。


「混ぜたら塩を……」


 デヴィッドは大さじ1の塩を入れた。


 水戸さんはひとつまみの塩に、小さじ1の白だしを入れた。


「え? だし入れんの?」


 デヴィッドはフライパンに油をしき、玉子を全部ぶちまけた。


 水戸さんは、油をまんべんなくフライパンに塗ると、少しずつ、薄く伸ばすように玉子を流す。


「おい、ジャガー、ボンサン!! これ、立場が逆だろ!! なんで辻調理師の腕を持つゾンビ相手に、料理経験なしの俺が料理教えてんだよ!!」



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