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MITO

第2章 家政婦修行

 とは、言ったものの、水戸さんは、すぐに帰ろうとはしなかった。


 翌日、研究所に来た、ボンサンとジャガーは、目を疑った。


「な……なんだ、これは……」


 ジャガーは所内を見回すと、何度もため息をもらす。


「部屋が明るいですよ……蛍光灯を変えたんですか?」とボンサンも感心していた。


 研究所の中が、まるで見違えるほど、明るく綺麗になっている。


「ジャガー、この壁にあった、人の顔のように見えた染みが、消えています」 


「これは……なんということだ?」


 そこに……


「おあよぉ〜っす」


 デヴィッドがやってきた。


「おい、デヴィッド!!」とジャガーが歩み寄る。


「えっ……はい……」


 突然、名前を呼ばれ、緊張しながら返事をする。


「昨日は、お前と水戸さんの当番だったんだろ。見てくれよ、この変わりようを」


「いや、普通に掃除……ええっ!?」


 デヴィッドは腰を抜かした。


「な、な、な、なんすか……」


 壁の汚れは曇りひとつなく、床は、古い傷さえも消えている。



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