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MITO

第2章 家政婦修行

『ほ'ん゚き゚か~お゚ま゙え゚(いえ、申し訳ないです)』


「はい?」


 そりゃ、聞き返すだろう。


“いや、本当にかまいません。どうぞ、召し上がって下さい。コーヒーは、のちほどお持ちいたします”


 また声が聞こえた。


 水戸さんは、グォングォンと音が聞こえてきそうな勢いで首を振り、店内を確認する。


「ドウシマシタデスカ?」


 外国人男性店員が声をかける。


『フ'ラ゚ヷーロ゚ック"の^ま゚ね゙(いえ、なんでもありません)』


 水戸さんは、やっぱり空耳かと、ババロアの器を手に取り、軽く口をつけると、一気に飲み干した。


 店員は、その様子を目を丸くして見ていた。


 カウンターにいる、黒い猫も驚いていた。


「ア、コーヒーヲ、コレカラ……」


『オ゙ト゚ト゚イ゙キ^ヤ'ガ゚レ゚(いえ、お気持ちで、結構ですよ。美味しかった)』


「WHY!?」


 だから、そうなるに決まっている。


 水戸さんは、財布を出すと、メニューを見て覚えていた、ババロアの代金を出した。


 若い男性店員が、それを見て近寄った。


「お客様、これの代金はいいですよ」



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