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MITO

第1章 遺体回収業者

「ところで、ジャガー」


 メガネをかけた長髪の男が、中年男性を呼んだ。


 どうやら、中年男性はジャガーと呼ばれているようだ。


「どうした、デヴィッド」


 メガネはデヴィッドと呼ばれている。


 デヴィッドは、ジャガーに言った。


「あの、迷いこんだと思われる人は、こんな険しい場所に入って行ったんでしょうか?」


「うむ、泣き叫びながら山に入る女性が目撃され、さらに、この付近のカメラにも山に入る姿がしっかりと撮影されている。この山のどこかにいるはずだ」


「しかし……」と一番後ろのスキンヘッドが、声をかける。


「ん? なんだね、ボンサン」とジャガーが返す。


 スキンヘッドはボンサンと呼ばれている。


 それぞれにニックネームがあるようだが、彼らは何に例えているのだろうか?


「ジャガーさん、その女性が、亡くなっているのか、生きているかどうかが問題です。生きている場合、どこかに移動していることも考えられます」


「うむ、生きているならそれでいい。いたら保護して病院に搬送する」


「もし、亡くなっていたら……」


「ここから先は私達の管轄だ」


「ですがジャガー、見付かったら、犯罪にはなりませんか?」



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