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MITO

第1章 遺体回収業者

 それぞれ、水分とエネルギー補給のため、水筒のお茶を飲んだり、菓子パンをつまんだりと、休憩を楽しむ。


 ここで、デヴィッドが話しかける。


「ジャガー、もし遺体を見付けた場合、我々が勝手に回収をしていいんでしょうか?」


「国から許可をもらっているとは言え、回収する前に、一度、警察に見てもらうことになっている。事件性もあるからね。だから、捜査のため、一度遺体は解剖してから、ご家族の方に相談した上で、こちらで引き取るかたちとなる」


「そうなんですね」


 デヴィッドは、とりあえず納得した。


「では、そこにあるのは、どうします?」


「えっ?」


 ボンサンが指で示す方に、ジャガーが向いた。


「……」






 あった。


 少し下った所に生えている樹木の太い枝に、ロープをくくりつけ、一人のワンピース姿の女性が、首からぶら下がっていた。


「おぉっ!! ここにあったのか!?」


「ジャガーさん、まだ腐敗はそれほど進んでません。死後数時間ほどじゃないですか?」とデヴィッドが、下から覗きこむように言った。


「なるほど。デヴィッド、何色だ!!」


「はい、黒のレースです」


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