MITO
第1章 遺体回収業者
ボンサンが携帯電話で警察に通報。
すぐに警察官が、数名かけつけた。
あまりに早く現場に来た警察官に、デヴィッドが尊敬の目で聞いた。
「早いですね。え!? 我々、登ってくるのにけっこうかかりましたよ」
「裏側に登山道があります」
あったんだ。
ジャガーが遺体回収許可証を提示した。
それに、警察官の一人が反応した。
「あ、なるほど、そうでしたか。ご苦労様です。状況からして自殺と見られますが、現場検証と身元確認が済み次第、連絡いたします」
「では、それまでの捜査はよろしくお願いいたします」
「わかりました。なるべく、これ以上、腐敗が進まないようにします」
2週間後……
女性の遺体が、ジャガー達の元に受け渡された。
現場検証と解剖の結果、事件性はなく、自殺と断定。
発見するまで、死後6時間は経過していた。
身元引き受け人がおらず、蘇生条件がすべて揃ったため、生きる屍労働者が生まれた。
送られてきたファックスの用紙を、ボンサンが読み上げる。
「えっと、女性の名は、水戸奈津子。35歳。左手の薬指に激しい擦り傷がある以外は、ほとんど外傷はありません」
すぐに警察官が、数名かけつけた。
あまりに早く現場に来た警察官に、デヴィッドが尊敬の目で聞いた。
「早いですね。え!? 我々、登ってくるのにけっこうかかりましたよ」
「裏側に登山道があります」
あったんだ。
ジャガーが遺体回収許可証を提示した。
それに、警察官の一人が反応した。
「あ、なるほど、そうでしたか。ご苦労様です。状況からして自殺と見られますが、現場検証と身元確認が済み次第、連絡いたします」
「では、それまでの捜査はよろしくお願いいたします」
「わかりました。なるべく、これ以上、腐敗が進まないようにします」
2週間後……
女性の遺体が、ジャガー達の元に受け渡された。
現場検証と解剖の結果、事件性はなく、自殺と断定。
発見するまで、死後6時間は経過していた。
身元引き受け人がおらず、蘇生条件がすべて揃ったため、生きる屍労働者が生まれた。
送られてきたファックスの用紙を、ボンサンが読み上げる。
「えっと、女性の名は、水戸奈津子。35歳。左手の薬指に激しい擦り傷がある以外は、ほとんど外傷はありません」