肝だめし
第3章 逃走
それは今回の参加者、達川だった
「遅いわ!」
「ごめんなぁ」
「とりあえず来てくれて助かったけど」
「誰もおらんかったらどうしよかと思った」
「これで中村が起きたら4人やな」
「えっ?中村まだ寝てんの?」
「せやねん…」
そう、まだ中村を起こす作業が残ってる
3人は急いで中村の家へと向かった
玄関の前に自転車を止め、何とか中村を起こそうといろいろ試してみる
チッ…チリン…ヒュー…チッチッ…リリン…ヒュー
舌打ち、ベル、口笛を何度も繰り返す
だが10分以上やってもダメだった
「こら起きひんな…」
半分あきらめかけた俺は地面に座り込んで達川とお喋り
でも田中はあきらない
畦道脇の草むらで何かを拾うと、それを二階の窓に向かって投げ始めた