肝だめし
第4章 金縛
家にあがって部屋に入ると中村がラジカセを用意してくれた
みんなでそれを取り囲む
「さぁ、何か声でも入ってるかな?」
「何も入ってないって~」
「わからんで~?」
「いきなり殺すとか入ってたら恐いな」
「あと「来るな!」とかな」
「やめてや…」
「でも写真や足音もあるし…」
「とりあえず聴こ…」
中村がラジカセの再生ボタンを押した
以下音声
これから突入するという俺の声…
ガサガサと畦道に入って行く音…
はいチーズという伊藤の声…
シャッターの音…
しばらく足音だけが聞こえる…
伊藤のはしゃぐ声とシャッターの音…
兵隊さんのお墓があるという中村の声…
怖さに耐えきれず引き返す3人…
早くなる足音…
墓石の土台を歩いた伊藤を注意する俺の声…
やがて駆け足に…
三人の悲鳴が混じり始める…
ガザガサと畦道の草をかき分ける音…
このまま何事もなく終わると安心した時、明らかに異質な音が鳴り響いた
うぅぅぅぅぁぁあああ
不気味な呻き声だった