肝だめし
第4章 金縛
同級生なのに石原さんと呼ぶ事から分かるように、彼女は学年の女子の中でボス的存在で少し怖い人
見た目は普通だがヤンキー達とも友達で、そのヤンキーでも彼女には逆らえない
かと言って悪人ではなくて、催し物があればクラスを引っ張って行く、つまりは大変大人な女性なのだ
なぜ彼女の霊感について知ってるかというと、修学旅行で怪談をした時にしこたま霊体験を聞かされたから
内容からは霊感が強いだけでなく、対処法にも詳しい事が伺えた
ただ俺にとっては近寄りがたい存在で、もちろん喋った事もない
そんな彼女が俺に話しかけて来た事がある
教室で肝試しの写真を見ていた時だ
「ちょっとショウ…これヤバいよ」
「えっ?」
まさか石原さんに話しかけられるとは思わなくて驚いた
「大丈夫やって~」
「何かあっても知らんで?」
この時は笑って受け流したが、彼女の言葉はずっと引っかかっていた
「石原さんなら何かわかるやろ…」
次の日の昼休み、俺は中村と2人で彼女に相談を持ちかけた
「ちょっといい?写真の事なんやけど」
「やっぱり…」
彼女はまるで俺たちが来るのが分かってたみたいだった