テキストサイズ

肝だめし

第4章 金縛


「なになに!?えっ?えっ?」

必死にもがくいてもビクともしない

「これが金縛り!?」

初めてだったので理解するのに時間がかかった

そういえば金縛り中には霊が現れるという話がある

今、枕元に立たれたらと思うとゾッとした

「うわぁああ~!」

恐怖でパニックになって必死にもがく

でも動かない

声も出ない

それでもジッとしてるのが怖くて力の限りもがき続けた

そんな状態が何十秒続いただろう

動く気力もなくなって体の力を抜いた途端にフッと金縛りが解けた

「うわぁ!!」

ガバッと起き上がって回りを見渡したがこれといって異常はない

「はぁ、はぁ、はぁ…」

ヘトヘトで汗びっしょり

初めての金縛りは想像してたより遥かに怖くて疲れる

しかし、これは始まりに過ぎなかった

それからというもの、ほぼ一日おきに金縛りにかかり始めた

しばらくは怯えていた俺も、さすがに5回6回とかかってると慣れて来る

ジッとしてればいつか解けるし、無理に解こうとするから辛いのだ

しまいには金縛りが解けた時の開放感がたまらなく気持ち良いとさえ思えて来た


ストーリーメニュー

TOPTOPへ