肝だめし
第6章 殺意
何かされる訳でもなければ消える訳でもない
異常な緊張がただただ続くのみ
ここでふと思う…
もしや俺が目を開けるの待ってる?
無理無理無理!!
この距離で見たら絶対トラウマになる
油断して目が開かない様に、さらにきつく瞼を閉じた
キーーーーン
するとまた耳鳴りが激しくなり、ボヤけた映像が瞼の裏に浮かび始めた
「なにこれ???」
ボヤけたそれはやがて焦点を合わせ、クッキリと浮かび上がっただ
「!!!!!!!」
それは真っ白い女の顔だった
どこかで見た事がある顔
「あっ!!!」
あの地面に貼り付いてた女だ
その生首が目の前で浮遊しながら、白目のない真っ黒な瞳で俺を凝視している
「ぎゃあああああ!!」
俺は声にならない声で絶叫した