肝だめし
第7章 微笑
昼休みはみんなとサッカーするのが日課で、その日もボールを追いかけていた
グランドには他のクラスの連中も入り乱れ、それをかき分けながらのサッカーとなる
そろそろ休み時間も終わる頃、俺はパスを貰う為に全力疾走していた
あと少しでゴール前
さらに加速した瞬間、誰かに足を引っ掛けられた
「えっ!?」
体が真横に吹っ飛び、景色がスローモーションで流れてく
何が起こったか分からない
やがて緩やかに頭から落ち始めた時、反射的に首を曲げて頭を守った
そのまま肩から地面に激突
バキッ!!
木を叩き割る様な音がした
「ぐわっ!」
受け身もとれずに転がり続けて仰向けに停止
青い空を見上げながら、何が起こったのか少しずつ理解していく
とりあえず起きよう…
上体を起こしかけた途端、左肩に激痛が走った
痛む部分を触ってみると明らかに骨がズレている
鎖骨骨折だった
痛みとショックで冷や汗が吹き出る
あの時、もし首を曲げてなかったら間違いなく頭を強打してただろう
「マジか…」
脳裏にあの女が思い浮かんだ