テキストサイズ

肝だめし

第7章 微笑


みんなに担がれて保健室へ

応急処置を受けた後、先生に付き添われて病院に運ばれた

レントゲンには斜めに折れてズレた鎖骨が写っていた

そのズレた骨を合わせる為にヤブ医者がグイグイ肩を引っ張る

「痛ててて~!」

ある意味これも祟りかも

最後はギブスで上半身を固められ、首から左腕を吊るされた

生まれて初めての骨折

悔しいやら怖いやら、さすがに祟りを信じざるを得なくなってきた

どうすれば許されるのだろう?

今さらお墓まで行って謝る?

どっかの坊さんに御払いしてもらう?

「ん〜…」

具体的に考え出すとバカらしくなる

祟られてるとしても、これで怨みは晴らしたんじゃなかろうか?

おれは無理やりそう思い込んだ






それからしばらくは大人しくしてたので頭をぶつける事はなかった

やがて左腕も少しずつ動かせる様になり、祟りの事なんてすっかり忘れ始めていた

こうなるとサッカーがしたくてウズウズしてくる

1日1回走り回る事が俺のストレス解消なのだ

腕は激しく動かさなければ走れるし、ギブスはプロテクターだと思えばいい

骨折から一週間後、俺は再びボールを追い始めた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ