肝だめし
第8章 叫喚
お茶をすすりながら冷静に振り返ってみる
これは夢じゃない、現実だ
それにしてもあの声…どっかで聞いた事がある様な
いや知っている
知ってるからあれほど恐怖した
肝試しの時に録音されていた女のうめき声にそっくりだった
つまり後にいたのは
「…………」
お茶を持つ手が震えた
母親が帰ってきた
何事もなかったフリをして部屋を出る
階段は上に行くほど暗さが増していた
「怖ぇ~…」
でもここで怯んだら負け、様子を伺いながら一段一段上がってく
やがて最後の一段を上りきると扉の開いた部屋が視界に入った
中は真っ暗で何も見えない
「おるんやろ!?出てこいや!!」
下の母親に聞こえない程度に叫んでみる
もちろん反応なし
ここは一気に行くしかない
「うわ~!!」
大声で自分を励ましながら部屋に突入
真っ先に窓に駆け寄り雨戸を全開にした