テキストサイズ

リアル

第3章 3

そんな事ないよ!



旦那さんの為にご飯作ったり掃除したり毎日大変だし、立派な事だと思う!




やっちゃんが驚いてこちらを見た




ふふ。ありがとう。




やっちゃんの笑顔…こちらがありがとうだよ




なんだか、胸の辺りがぎゅっと締め付けられるけど、やっちゃんが笑ってくれたからよしとしよう…




やっちゃんの旦那は大手ブランドの支店を任されていて、女性服の輸入を担当しているらしい




やっちゃんがいつも綺麗な服を着ているのはそのせいか…




まだ寒いが、店内は色とりどりの春服が飾られている



服を見ながら考える



じゃあ、私は旦那が選んだ服を着ているやっちゃんが好きなんか…?




今のやっちゃんを作り上げているのは旦那で、旦那の金で…




考えれば考える程、胸が苦しくなる




やっちゃんが定員の女の子に声をかける




お世話になってます!
これ、皆さんでどうぞ。




袋を差し出した




女の子達が嬉しそうに開けると、キレイなチョコレートが並んでいた





ちゃんと差し入れしてあげるんだ。偉いねやっちゃん。




やっちゃんの横に行き、言葉をかけた



今、声震えてなかったか?大丈夫か?



旦那が働きやすいようにと、定員にも気を使ったんだろう、やっちゃんらしい。


普段はそういう所も好きなのに、今は心臓がえぐられた




来なくていいのに、旦那が出てきた




こんにちは



お世話になってます


旦那に向かって挨拶をする



ハハ…



ちゃんと笑えてるか?自分?




ああ、いい人そうだね




ちょっと小太りな気もするけど、ちょっとおっさんな気もするけど




世間で言う所の、“いい人”なんだろうよ





君が選んだ人なんだから




やっちゃんとそのおっさんが話してるのをまだ見とかないとダメなのかい?




やっちゃんの為にもなんか買わないといけないと思うが…




どれもフリフリ女服で趣味じゃない




仕方なくユニセックスなジーンズを一本買う





買って帰っても履く事はきっと一度もない









































ストーリーメニュー

TOPTOPへ