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真聖が時計に目を遣ると
「薬の時間だな」
優花の体から離れてキッチンに向かうと小さな錠剤と水の入ったグラスを手にした。
寝室に戻ると優花に渡して、優花は促されるまま渡された薬を飲み込んだ。
「これを飲んでるから俺がいくら優花の中に出しても妊娠の心配はないからな」
「…うん」
「俺は優花との子供だから大歓迎だけど、まだ今はふたりっきりでいたいからな」
真聖は優花を腕枕で抱き、優花に唇の雨を降らせる。
「…もう…だめ…寝なくちゃ…今日もお仕事…あるでしょ？」
優花が肩を押すと真聖は何かを期待するような目で見つめ
「優花が俺の事をどう思ってるのか言ってくれたら優花の言う事を聞いてやってもいいぞ」
思わず優花が固まる。
「ほら、早く」
真聖が優花を急かす。
「…愛してる」
小さく呟いた優花の言葉に、真聖の表情が歪んでいく。
「違うだろ？この家に来た時に教えただろ？何って言うのか」
消え入りそうになる小さな声で
「…お兄ちゃんの…こと…誰よりも…愛してる」
「ちゃんと言えるんじゃないか」
真聖は満足気に微笑んで腕枕を外すと、優花の胸の膨らみに顔を埋めて眠りに落ちていった。
複雑な気持ちを抱えたまま優花は真聖を抱きしめた。