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theDecalogue

第4章 交接する心とからだ

真聖の視線は窓の外に向いていて無意識に唇が離れる。
「…お兄ちゃん?…どうしたの?」
優花は困惑した表情で真聖を見つめている。
「何でもないよ優花」
真聖は優しく微笑んで優花の髪を撫でて唇を小さく重ねた。
真聖は優花の前に屈(かが)み、優花の指先を握って見上げると
「もう俺を不安にさせないでくれ。せめて俺と一緒に寝る時くらいは隣にいてくれないか?」
真聖の真剣な眼差しに優花の心が揺らぐ。
「…ごめん…なさい」
「別に怒ってるわけじゃないんだ」
優花に柔らかな笑顔を向けて
「腹減らないか?作ってやるから待ってろよ」
「…うん」
優花はベッドに凭れるように座った。
真聖が部屋から出てキッチンに立つと優花の好物を作り、寝室に戻るとテーブルに並べた。
真聖は椅子に座ると
「ここにおいで」
優花はベッドから降りて真聖の膝の上に大人しく従った。
「熱いから気をつけろよ」
真聖は息を吹きかけて冷ますとスプーンを優花の口に運ぶ。
「旨いか?」
「…うん」
真聖は優花に餌付けをするように少しずつ運んでいく。
優花は真聖の指先を拒んで
「…お兄ちゃんは食べないの?」
「ああ…今日は仕事で外で食べるからな」
「そうなんだ…」
優花は複雑な想いを抱く。
「もしかして妬いてるのか?」
真聖か指先で優花の頬を優しく撫でると
「…違う…っ」
真聖に向けた刺すような声に驚いて、優花は頬を赤く染めた。

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