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仕事から帰ってきた真聖は睡魔に襲われ、濡れた髪のままでリビングのソファーに倒れ込むとスーツ姿のまま横になった。
ソファーのスプリングが軋む音に気づいて優花が目を覚ますと真聖が部屋にいないことに気付き、真聖の元に行こうとするとベッドから張った鎖のせいで扉を開けることさえできない。
扉の向こうで鎖を引きずる鈍い音をたてる優花に気付き、ソファーから起き上がると
「…もう起きたのか…今開けてやるから」
扉の施錠を外して優花の側に行くと、優花の体を抱き上げてベッドに凭れるように座らせた。
優花は真聖の髪に触れると
「…髪が」
「ああ、雨が降ってたからな」
「…お仕事…どうだったの？」
優花の投げかけた言葉に真聖は驚き
「どうした？いつも仕事のことなんて聞いたりしないのに」
「うん…帰ってくるの遅かったから」
俯く優花の隣に座ると
「…同伴とアフターもあったからな」
優花の顔色を窺うと、髪を優しく撫でて
「ただの客だから優花は何の心配もしなくていいんだぞ。俺が色売りができないの知ってるだろ？寂しかったのか？」
真聖の優しい視線に優花は小さく首を振った。
優花と小さく唇を重ねると
「今日は仕事が休みだから、いつもよりゆっくり過ごせるよ」
真聖の言葉をどこかで期待していることに優花は戸惑う。
「嬉しくないのか？」
「…ううん」
小さく首を横に振った。