僕は君を連れてゆく
第26章 錯覚してしまいそう
「宿題やってきた?」
「うん。ナンとか…今日あたりそう…」
「葉山先生、バシバシ当ててくるもんね。」
他愛のない話。
でも、俺は相葉くんの手を見ちゃう。
俺の手は小さいから…
相葉くんの手は男らしい…
と、男の俺が見ても思う…
「ん?なに?」
「んんん。なんでもない!いい天気だよね?」
「そうだね。あ、そうだ。今日、委員会あるんだ。だから、先に帰っていいからね?」
「え?」
なんだって?!
「急に委員会になっちゃったんだよ。ごめん!」
「そぉなんだぁ。仕方ないね。」
やっぱり、占いが2位だったからだ。
星がキレイだったけど、お月様見えたかな?
相葉くんからメールきたけど…
俺の手をつなごう大作戦はものの見事に玉砕したんだ。
くそっ!
こんなんじゃ、晴れてたってしょうがないじゃん!
別に相葉くんが悪い訳じゃないけどさ…
そうだよ!相葉くんが悪い訳じゃないもん。
急に委員会をやるって言い出した、伊藤先生が
悪いんだ。
「呪ってやる…」
「え?ノロ?」
「え?いや、前の人ノロくない?」
「前の人っておおちゃんと翔ちゃんだよ?」
前を歩くのは同じクラスの大野さんと翔さん。
幼なじみの二人。
翔さんが大野さんの肩に腕を回している。
「なに、二人でイチャついてんの?」
相葉くんが二人に声をかけた。
「おはよー!相葉くん!」
「おはよう!ニノ、相葉くん!」
「おはよ、大野さん、翔さん!」
俺も挨拶をした。
肩を組んで歩く二人。
やめてよ、なんて大野さんは言ってるけど実際はどう思ってるんだろう。
「ねぇ、二人ってただの幼なじみなの?」
「「えぇ?!?!」」
二人ともすごい大きな声をだした。
目が泳ぐ二人。
「だって、いつも二人でいるよね?」
若干、二人とも顔が赤いような…
「ニノ、それはあとできちんと報告するよ。」
「…」
大野さんは俯いていた。