僕は君を連れてゆく
第27章 沸騰しちゃいそう
「智くん!待ってよ!」
ニノたちから逃げるように早歩きでその場を離れた俺を追ってきてくれる。
翔くんは俺の肩に腕を回して顔を覗き込まれた。
翔くんはニコニコと笑っていた。
「恥ずかしい?」
俺は頷く。
「かーわいぃ♡」
きっと、顔は真っ赤だ。
「遅れちゃう!行こう!」
肩を抱かれたまま校門をくぐった。
「なんだよ?」
お昼ご飯を食べに学食に来たんだけど…
ニノが俺をジッーと見てくる。
「別に。」
「ニノ、それ以上、おおちゃんのこと見てると翔ちゃんから見物料とられるんじゃない?」
友達なんだから見たっていいだろ!とか、でもニノの顔、怖いもん!とかいつもの二人の痴話喧嘩が始まった。
このやり取りは決まって…
「ニノ、ニノのことばかり俺は考えてるよ♡」
「俺だってぇ…♡」
ニノも相葉ちゃんも自分の気持ちを素直に伝えあっていて…そんな二人が羨ましい。
校内でもこの二人はお似合いでバカップルと有名で本当に付き合っているのか、友達の延長なのか、みんなが噂してる。
二人はそんな噂に流されることなく、いつもの二人で揺るがない絆がそこにはしっかりあるんだなって。
僕と翔くんは…
僕だって、翔くんが大好きだから…
「なに、顔赤くしてんの?」
「え?」
「やらしいこと考えてたんでしょ?」
「バカっ!そんなこと考えるかよ!ニノじゃあるまいし!」
「なに?ニノちゃん、やらしいこと考えてるの?」
相葉ちゃんが嬉しそうにニノに尋ねる。
ニノは照れる様子もなくて。
「そりゃぁ、俺だって…相葉さんと、って…」
上目遣いで相葉くんを見つめる。
「ニノぉ~♡」
犬に抱きつくように相葉くんがニノを抱きしめ頭をガシガシと撫でる。
俺も翔くんもそんな二人を見て、笑った。
翔くんを見たら大きな口を開けて笑っていて、上唇をペロッて舐めた。
そうしたら、翔くんと目が合って…
「俺も…智くんのことばかり考えてるよ♡」
耳元で囁かれた。