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僕は君を連れてゆく

第30章 2.5次会

ーjun saidー


ヤバい…
しりが痛い…
腰も痛い…

「…ん?…」


「ごめん、起こした?」

目を開けたら翔くんの顔があった。
俺の頭を撫で、水飲むか?とベッドから出ていった。

喉がカラカラで声が上手く出せない。

翔くんが歩いてる奥は大きな窓で、光に反射して翔くんが写っている。

「飲めるか?」とベッドサイドに腰かけて俺にペットボトルを差し出した。

それを手に取ろうとしたけど力が入らない。

翔くんが変わりに開けてくれた。

「の、ませて…?」

目尻を下げて俺を見てくれる。

翔くんの唇が俺に触れて、ゆっくりと水が俺の口の中に入ってくる。

ジワリと俺の体に水が染み渡っていく。

「甘えん坊だな。」

そう言う翔くんの顔は、俺が見てきた翔くんの顔のなかで一番、優しい顔だ。

胸が一杯で苦しくなってきた。

こんなにも優しい顔を俺にみせてくれるなんて。

「なんで、泣くんだよ。」

腰を庇いながら上体を起こした。

「翔くん…俺、翔くんが好き。」

言葉と一緒に涙が溢れてくる。

「知ってたよ。お前が俺を好きなこと。それなのに寄り道ばっかりしやがって…」

「そ、なの?」

寄り道ばかり…
あれは、寄り道だったのか。

翔くんに辿り着くための。

鼻をすすったら、鼻をつままれた。

「ウフフ。」

「あー、可愛いな、お前。こんなだっけ?こんななんだよな。俺も気がつかなかったんだよな…俺より先に見てる奴がいると思うと悔しいな。」

あぁ、もう。
なんで、こんな事を言うの?

「翔くん?」

「ん?」

「翔くん?」

「ん?」

「翔くっ「何回やんだよっ!笑」」

俺を抱き締める翔くんの腕。

大輔さんとも、大野さんとも、ニノとも、相葉くんとも違う。

「クフフ。」

「ちょ、お前、今、なに考えてた?」

「え?」

「え?じゃねぇよ。違う男のこと考えてたろ?」

「え?」

「許さーん!!」


だって、比べちゃうもん。
こんなに愛されてるって思うんだもん。

ちょっと、焼きもちやいてくれるのも嬉しいし。


お祭りのあとは…甘く蕩ける世界があった。

ーおわりー

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