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僕は君を連れてゆく

第32章 違いのわかる男。


いやぁ、あの日は…
ちょっと、やっちゃったな…

あの時はなにも考えずに体が動いたんだけど。

放送されたのを見たときには我ながら、
あら、私ってこんな?と。

そして、その日の収録を思い出して、
みんなの、確かめたくなったんだよね。



*********


「J!ちょっと。」

その日もいつも通りに収録が終わり、それぞれが次の現場へ行く準備をしているなか、俺は嵐のおしゃれ番長を呼びつけた。

収録もちょっと早めに終わって、ゲストのみんなとも仲良く出来たし、
笑いも取れたし…

みんな、満足してるって、顔してる。

だけど、俺はどーしても確かめたいことがあった。

Jはいつものようにキリっと濃い顔で、これからの段取りを頭のなかで組み立てているのか、ぶつぶつ何かを言ってる。

「なに?」

そんなJが可愛くて、俺はJに向けて両手を広げた。

「???」

「きて?」

あの時、工くん(斎藤工のこと)にやったように、
ちょっと、
顎を引いて、上目使いで見つめる。

途端にJは顔を赤くして…

「え?なに?なんで?いいの?」

「早く!」

Jは俺の肩から腕を回し、抱き締めた。

そして、俺は下から腰に腕を回す。

うん。
そうそう。
この感じがJなのよ。

この香水の香り。
素直に照れて、赤くなるほっぺ。
服の上からではわからないけど、しなやかな筋肉。

これが、J。

松本潤だ。

「どした?」

「はい!わかりました!」

「え?なに?なんの確認?」

もう、これで十分。

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