テキストサイズ

喫茶くろねこ

第16章 「らしさ」って何だろう?

「らしさ」って何だろう、を考えようとしたんだけど、結構難しくて、答えが出なくて頭がパンクしそうになったので考えるのをやめた。

コーヒーの香りを嗅いで癒される。

「自分らしさ」が何かも、自分がこれから何をやりたいのかもよくわからない。ただ、毎日大学に行ってテキトーに講義受けて、大学終わったらバイトするか、ゲームするか、猫とたわむれるか、の繰り返し。

浪人生だったころは、とにかく「志望校合格」っていう目標があって、しかもそれははっきりと点数で答えの出るペーパーテストで結果が分かりやすくて、傾向や対策を教えてくれる人がいて、参考書や問題集もあって、そう、とにかくゴールが分かりやすくて、走る方向も分かりやすかった。

今は、毎日が惰性で、ただなんとなく過ぎていく感じ。

はーーー。

『なにため息ついてんだ。年寄りくさいな、若いのに』

…若者らしさがない、ですか?
らしさ、らしさ、らしさ、ってもういいですよ。誰がなんと言おうと、これが僕なんです。

些細なことで悩んで、答えが出なくてため息ついて、でも猫が好きで、猫と触れ合えたら少しぐらいは元気になって、とりあえず明日になったらまた大学に行く!

『お前にしちゃ上出来だ』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ