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喫茶くろねこ

第4章 内見(ないけん)

「カベムコウ…ハンブンハ、CatRoomネ、デモイマハ、マスターダケ」
「マスターだけ?えぇとつまり、他の猫はいないってこと?」
「Yes,yes.ゴゴネコ…ミツカル…サトイモ!」
「ご…午後猫??里芋??」
「No!エートー…サト~…サトヤマ…サト~…Oh!サトオヤ!ホゴネコ!」

ニコルス…聞きとりにくいから、もうちょっと日本語の勉強しっかりしてくれ…いや、でも、外国人にしては上手なほうなのかな。僕も英語とかは苦手だしな。

「つまり、捨て猫を保護して里親が見つかるまでここで預かって面倒見てるってこと?」
「オー、シモミサァン!ソノトーリ!!」
「…シモミじゃなくて、シモジね。下地佑太」
「ユータ!ユータ、イイヤスイデス!ユータデイイ?」
「あぁ、うん、いいよ」

2階の部屋と3階の部屋は1階の喫茶店スペースの半分の広さになっていて、残りの半分は猫の為のスペースだという事だった。
バイト募集の貼り紙にあった仕事内容の「猫の世話」というのは、マスターのお世話というよりも、保護した捨て猫達のお世話がメインという話だ。

僕が借りる予定の部屋を見た後、猫スペース側も見せてもらったが、こちらは2階から3階が一部吹き抜けになっていて、キャットウォークやキャットタワーなどが作ってあり、整然と並んだ複数の猫トイレやい爪とぎ板など、(猫にとって)充実のスペースだった。

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