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喫茶くろねこ

第2章 マスターくろねこ

その後、片言日本語の外国人男性と、店のマスターだと自称する、テレパシーで人語を操る黒猫と、3人(2人と1匹?)でいろいろと会話をし、情報交換をした結果、以下のことがわかった。

まず、黒猫のマスターは今は亡くなった先代のマスターの元飼い猫。先代に飼われていた頃から人の言葉はある程度理解していたが、テレパシーを利用して会話が出来るようになったのは、マスターが亡くなる前日だったらしい。最後の最後にマスターと会話をして、それでこの喫茶店を継ぐことになったという。

それから日本語が片言の外国人男性は、日本文化に興味を持って半年前に来日したドイツ人の留学生で、現在は日本語を学ぶための語学学校に通っているという。4月からは大学で日本文化の勉強をするらしい。名前をニコルスという。年は28歳らしい。

ちなみに、僕も4月から大学生になる。実家からは通えない距離なので、今日は1人暮らしをする為の部屋探し目的でこっちに来ていたのと、親が「学費ぐらいは出してやるが生活費は自分でなんとかしろ」と言っているので、部屋が決まって引越しが済んで、大学生活が落ち着いてきたら、この先、アルバイトも探す予定でいた、が、部屋とバイト先が同時に見つかってしまった。

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