ガラスの靴がはけなくても
第6章 年下の男の子
「行きなさいよ。面白そうだから」
え?
なにがどう面白いの?
それって面白いの香織さんだけでしょ。
人の頬をつつきながら楽しそうにしてる先輩なんてもう今度こそ本当に無視してやる。
なんでいつもなら嬉しい金曜日なはずなのに、こんなに気が重たいんだろう。
たかが、食事に誘われただけで大袈裟だって分かってるんだけど。
興味本意で見ていたみんなも、いつまでも騒いでる暇もなくいつもの様に仕事に就いている。
香織さんと亜依ちゃんだけはニヤニヤしながら、時々私に目配せしてくるからそれにうんざりした。