テキストサイズ

ガラスの靴がはけなくても

第7章 春の風


見た目と口調は優しいのに、ちょっと黒い感じがやっぱり香織さんの彼氏だなって思ってしまう。
二人して人をからかって遊ぶのが好きなんだもん。

いや、でも本当に素敵なカップルなんだけどね。

二人が並ぶとすごく絵になる。
思わず見とれてしまうぐらい綺麗な二人。
見た目だけじゃなく、お互いが出す雰囲気がいつみてもとってもお似合いだなぁって思う。



……まぁ、そんなお二人に今空気を悪くさせられてはいるんだけど。



「ど、どうして部長と宏樹さんはここへ?」



そんな空気に居たたまれなくなって、とりあえず分かってはいたけど率直な疑問を投げかけた。



「ん~?香織を迎えに寄ったんだよ。"たまたま"俺が慶司といて、"たまたま"香織が莉乃ちゃんといる所に迎えに来たってだけ」



「へぇ…たまたまですね」



「そうたまたま」



「へぇ…あはは…」




……うん。ですよね。分かってて聞いたんだけどね。

このカップル怖い。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ