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ガラスの靴がはけなくても

第8章 眠りたくない夜


効果音を付けるならば『ズキューン』。ハートの矢が私の心臓を打ち抜いた。

冷静に聞いたら笑っちゃうくらいくさい台詞も部長が言うとなんだか様になってしまう。だって、私には王子様にしか見えなかった。



部長の首に手を回して抱きしめた。




「……大好きです。部長」



「名前。呼んで」



「け、いじさん」



「違う」



「……けいじ」



「うん?」



「慶司」



「良くできました。莉乃、好きだよ」




蕩けるような告白の後には息も出来ないくらいの深い深い口付けをくれた。



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