ガラスの靴がはけなくても
第8章 眠りたくない夜
長く続く深い口付けに心も体もトロトロに溶けさせられていく。
丁寧に舌を絡めては唇を合わせて、ときどき目を合わせて微笑んでくれて。
「んっ…、けいじさん…っ」
名前を呼べば温かいものが胸いっぱいに広がる。
キスをしたまま膝の上に跨がらされ、着ていたカーディガンとショートパンツを脱がされた。
「やらしい下着。誘いすぎ」
「違いますっ…!やぁっ…」
薄い生地で覆われてるだけの胸を指先でなぞられると、思わず声が漏れた。
ベビードール風の白いレースのキャミソールに、同じ白のTバックのパンツ。
確かに、誘ってると言われても仕方ない。
反応を見てクスクスと笑いながら、耳元に低くて甘い声で囁く。
ぞくりと鳥肌がたつほど色っぽい声で伝えられるのは、悪魔の囁き。
「どこから責められたい?」
「んっ、やっ…!」
「首筋?胸?」
「あっ、だめっ…やぁぁんっ」
「やっぱり耳から可愛がってあげないとな…?」
「んんんっ!」
耳の縁を舌でなぞられただけで、腰が抜けそうな快感が襲った。