ガラスの靴がはけなくても
第2章 キスの温度
「おい。いつまでかかってるんだ」
「ぶ、ちょ……!あっ」
驚いた……!
お茶っ葉ぶちまけるくらいに!
今まさに考えていた人のご登場。
「あ〜あ…何してるんだよ」
「すみません」
落ち着いてよ、私。
こんなに明らか意識してますの態度じゃ余計に気まずくなる。
だけど、ダメ。
身体が反応する。
シトラスの香りに。
たかがキスなのにあんな感覚初めてだった。
多くはないけど経験が全くない訳じゃない。
部長の経験が私とは桁違いなのか、それともセンスなのか分からないけど……って!
また思い出しちゃったら意味がない。
二畳分ほどしかない給湯室は狭すぎる。
部長の存在を否応なしにも感じでしまう。