ガラスの靴がはけなくても
第2章 キスの温度
声を出そうと唇を開けた隙に舌が滑り込む。私の縮みこむ舌を強引に絡めとられる。
舌が口内を隈無く愛撫するのに不快感を一切感じない。
息苦しい程に熱いキスが私を堕としていく。
言葉を出すことが出来ないなら突き放せばいい。
なのに、私はそれをすることができない。
それどころか、力が抜けて部長にしがみつく私は……
「拒否らないの?」
あの時と同じようにその先を求めてる。
「ッ…!やめっ…」
「まぁ嫌だって言っても関係ないけど」
「やっ…ッふ、んん…」
キスだけで背筋にピリピリと電流が走るように痺れる。
こんな感覚を感じたことは今までになくて、甘い痺れに溺れそうになった。