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ガラスの靴がはけなくても

第2章 キスの温度

考えないようにって思えば思うほど、結果考えてしまっていて。
何だかんだでお昼休みになったけど、時間は過ぎても頭で考えてることは変わらない。


「はぁ…」


なんか疲れる。


「やだぁ。今日の莉乃溜め息多すぎ」


……この人にも。


「はぁ~…」


「ちょっとなに?私見て溜め息とか感じ悪いんだけど。さっきのことなら謝るから。ごめんごめん!」


そんなに笑顔で言われたって、絶対ごめんなんて思ってないのまるわかりなんですけど先輩。


「もういいですよぉ」


フンとわざとらしく顔を背ければ、頬を思い切り掴まれる。


「ふてくされないの」


「かおりひゃん…ひゃめて~」


「ふふ。この心優しい私が失恋した可愛い後輩にいい話もってきたわよ」


パッと手を離すと、綺麗に口紅が引かれた唇の両端を上げる。

嫌な予感がする。
大体今日の不幸の始まりは香織さんの一声だったんだから。


「合コンするわよ」


「………」


ね。



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