テキストサイズ

ガラスの靴がはけなくても

第2章 キスの温度


パソコンとにらめっこすること二時間。
チラリと部長のデスクを盗み見ると、いつの間にか戻ってきていて。
先ほどのことが嘘かの様に涼しい顔をして書類に目を通している。
仕事の顔とでも言うのか。

でも、元々私はこの部長の顔しか知らない。若くして役職に付いているだけあって、仕事はバリバリできて上司としても頼りがいがあって。

そんな尊敬できる上司のはずが、色気のある"男の顔"ばかりが私の頭の中を占めている。


「………」


ほら。結局部長のことをまた考えてる。

集中力なんて持ちやしない。

そりゃこんなに近くにいるんだから、いくら気にしないようにしたって無理だよね。

あぁ、もうどうすればいいの私。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ