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ガラスの靴がはけなくても

第4章 揺れる



「大体、俺だって澤村と変わりない」


「え?」


「俺は藤野の家を知ってる。なのにココへ連れてきた。だから藤野が謝ることはない」


「あ、…え?」


「まだ分からない?下心があって連れて来たって言ってんの。だから藤野に謝ってもらう必要はない」


私の腰の横に手をつき顔を覗き込んでくる部長。

真っ直ぐに飛び込んでる瞳は…やっぱり怒ってる?


でも部長は今なんて言った?
"下心"ってそう言ったよね。

これはもしかして私が怒っていいところ?

だけど私が酔って部長に迷惑かけたことには間違いないし、自分で自分を管理出来てなかったことに関して百パーセント私に非がある。




………ううん、そんなことじゃなくて。



私がさっきとっさに謝ったのは――…。



「それとも、今のは違う意味での謝罪?」



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