ガラスの靴がはけなくても
第5章 赤のしるし
あのイケメンハンター香織さんがかつて好きになった男なだけある。
ちょっと。いやかなり驚きな過去話だったけど。
私の中の"イイ女"の代名詞とも言える香織さん。
その香織さんをふった部長。
そんな部長が私のことを好き?
本当にそんなことあるんだろうか。
やっぱりよく分かんない。
かっこよくて、仕事も出来て……
私を泣かせてくれて。
私の心の中を意図も簡単に引っ掻き回して。
本当に分かんない。
だけど、寝顔を…私がまだ知らない部長の顔をもっともっと見たいって思う。
トクン、トクン、と高鳴る音は部長のせい。