半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第51章 何故クビにならない?
よし、沙織に聞いてみよう。
オレは会社へ向かった。
が、しかし、こういう時に限って何故か野村がオレの側に来やがる!
お前はジャマだっつーの!
しかもあれこれとくだらん事を言ってきやがる。
可愛がってもらった恩もあるが、それとこれとは別な事だ。
「野村さん…オレにくっついて仕事しなくて大丈夫なんすか?」
明らかにウゼーって感じで野村に言ってみた。
「仕事?バカヤロ、会社来て仕事すらバカいるかよ?会社ってのは社員同士のコミュニケーションの場なんだよww」
何だそのチョーいい加減な持論は!
こりゃかなりの名言、いや迷言だ。こいつどんな人生送ってきたんだろ…
もしかしたらオレは変なヤツに目をかけられたのかもしれない。
何だか野村が疫病神に見えてきた。
こんなテキトーなヤツが亜美の彼氏だと?
絶対に認めないからな、オレは!
あぁ、もう、何だよコイツ!仕事のジャマばっかしてんじゃんかよ~っ!
「野村さん、ちょうどいいとこに居た。申し訳ないんですが、これをコピーしてもらえませんか?」
おぉ、その声は沙織!
「あぁ、何だこれコピーしてくんのか。はいよ、ちょっと待ってな」
そう言って野村はコピー機のある部屋へ移った。
「助かりましたよ、高橋さん。野村さん何であんなに仕事しなくてクビにならないんすか?」
そもそもそれが最大の疑問だ。
「う~ん、ここではアレだから、今日終わったらいつもの店で話そう」
ここじゃ話出来ないような事なのか?
まぁいいか。
「解りました」
そう言ってオレは自分の仕事に取り掛かった。