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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第52章 会社の跡取りだぁ?

オレは仕事を終え、沙織といつも飲んでる居酒屋に向かった。

店には沙織が居て既に飲んでいた。
「すいません、遅くなって。ちょっと在庫の数が合わなくて」

オレは在庫にあった製品の数が合わない為、それをチェックするのに時間がかかった。

「お疲れ様。ゴメンね先に飲んでて」

「いや、大丈夫っす。あ、すいません生1つ」

オレは店員にビールを注文した。

「じゃ改めてお疲れ様~」

乾杯してグビッとビールを飲んだ。

「何か仲村君変わったよね」

「はい?」

「顔つきが精悍になっというか。前に比べたら随分頼もしくなってきた感じ」

そりゃボクシングやってるからだろ。

「単に仕事に慣れてきただけですよ。これも高橋さんのお陰です」

取り敢えずパイセンを持ち上げておかないとな。

「仲村君、ボクシングやってるでしょ?」

っ!!オレはビールを吹き出しそうになった。
何で知ってるんだ?

「いつだったか仲村君、こんなに顔腫らしながら会社に来た時あったよね?最初ケンカでもしたの?って思ったけど、偶然仲村君がボクシングジムに入る姿を見たのよ」

「知ってたんすか…」

「それにユースケさんって元ボクサーだったじゃない?あぁあの人のいるジムに入ったんだってね」

そうか、ストライカーの奥さんは沙織の学生時代のパイセンだったらしいからな。

「まぁ橋本さんに勧められて運動不足だったし、ダイエットにもなるかなって始めたんですけどね」

「そうなんだ。でも前よりずっとシャープになってきたよ。キリッとしてカッコいいよ」


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