
半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第63章 知らねえよ、デブ!
オレはコンビニで酒を買い、店を出た時にまた着信があった。
しつけえヤローだな、詐欺なら他のヤツにしろってんだ、と思い「いい加減にしろ、警察に言うぞバカヤロー!」
と言ったら
「だからオレだって、高校ん時の同級生だった山田だ!」
と言う声が返ってきた。
山田…そんなヤツいたか?
しばし考えたが、オレの記憶の中で山田なんてヤツはいないはずだと思い「テメーみたいなヤツは知らん!だからもう電話してくんな、このボケッ!」
と言ってソッコーに電話を切り、後はシカトした。
そして家に着き、飯を食いながらビールを飲んでいる時に
(…あっ!そうだ、ポチョムキンて確か山田って名字じゃなかったっけ?)と思い、奈央に
「なぁ、ポチョムキンて、山田って名字だったっけ?」
と聞いてみたら
「何で友達の名字を覚えてないの?あんなに仲良かったのに信じらんない!」
と呆れた口調で言い返された。
えっ、じゃあ昨日からずっとかかってきてる電話はポチョムキンからか?
何だそうかよ、それならそうと言ってくれなきゃ解らねえじゃねーか!と思い、今度はオレから電話してみた。
「お、もしもしポチョムキン?久しぶりだな、相変わらずブサイクか?」
と話した。
「テメー、今までオレだって解らなかったのかよ!」
と物凄い声で怒鳴ってきやがった。
「だってお前の名字、山田だってのすっかり忘れてたんだよ。お前、ポチョムキンの呼び名だったじゃんwww」
「テメー、まだ同級生の名前も知らねえのかよ!」
「知らん!で、何の用だデブ!」
「うるせえなこのヤロー!何でテメー同窓会に出ねえんだよ!」
何て事はない、同窓会に出ないのか?っていう要件でオレに電話してきたらしい。
オレの電話番号は実家に連絡した際に、オフクロから聞いたみたいだ。
「オレは忙しいんだよ、デブ!来年なら出てやるよ、ただしギャラは高いぞ!」とだけ言って電話を切った。
そうか、ポチョムキンからの電話だったのか…
気づくの遅すぎたな、こりゃwww
