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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第64章 あの頃はつまらなかった

ポチョムキン、別名 山田 康人(やまだ やすと)
コイツはそんな名前だったが、一度たりとも山田、とか山田君なんて呼んだ記憶がない。

ちびデブでメガネをかけ、どっからどう見ても300%キモオタにしか見えない。

ポチョムキンというアダ名を付けたのはオレだ。
何でポチョムキンというアダ名になったのかは、ふと頭の中で(コイツはポチョムキンにしようw)と閃き、それからポチョムキンと呼ぶようになった。

コイツもオレと一緒で、女子の前だとコミュ障になりテンパる。
あの頃はコイツからAVを借りて部屋でよく観ていた。
それ以外取り柄の無いヤツで、本心はこんなキモオタと一緒に居たくないと思っていた。

暇さえあればコイツとAVネタか、【細かすぎて伝わらないモノマネ】ネタばかりを話していた。

このブサイクは高校を卒業して、アニメの専門学校に入学し、彼女が出来たとかなんとか風の噂で聞いた。

そしてもう1人の友人は片チンこと、片岡 祥一(かたおか しょういち)
コイツはオレやポチョムキンと違い、外見も中身も500%チャラ男だったヤツだ。

おまけに高1で初体験を済ませたリア充だった。
本来ならオレやポチョムキンなんかを相手にしないのだが、コイツも細かすぎて伝わらないモノマネネタが好きで話に加わり、気がつけばこの3人でいつも一緒にいた。

だが、片チンの周りには常に女がいて、オレやポチョムキンはコイツとはやや距離を置いて接していた。

片チンは高校卒業後に大学に入り、サークルの合コンで知り合った女とデキ婚したらしい。

一夜の過ちで19才にしてパパになったという罰当たりなヤツだ。

オレはこの二人とは卒業以来会ってない。

ていうことは、高校までの付き合いだったんだなぁと思い、オレからも連絡することは無かった。

それなのに今更電話してきて、何で同窓会に出席しないんだ?等とほざきやがる。

仮に弾丸のタイトルマッチの日と被らなくても同窓会に出るつもりはなかった。

卒業して8年が経つ。
あの頃はホントにつまらなかったなぁ…

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