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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第66章 まだ半人前だな


コイツの制作会社はアニメがヒットし、今勢いのある制作会社として業界では注目を集めていた。

そのお陰なのか、このデブも羽振りが良く、オレをよくキャバクラに誘ってくれたりする。

コイツのオゴリだから懐に影響はないが、毎回同じで飽きてきた。

「だからまた今度な、それよかたまには早く帰って子供と一緒に風呂でもはいってやれよ、デブ!」

「うるせーな、大きなお世話だ。じゃ、オレ1人で行ってくるゎ」

嫁と子供が待ってんだろうに。
ありゃ家庭を滅ぼしそうなタイプだな。


電車に乗り、目的の場所までは約20分ほどかかる。

その間、色んな事を思い出していた。

SNSでサークルを作り、ストライカーと弾丸に出会った事、そのSNSで異性との出会いがあったと喜んだら、奈央だったというオチや、ボクシングをやり始め、ストライカーがトレーナーになり、弾丸がプロデビューして世界タイトルにまで挑戦できた事等々。

この5年の間に普通では経験出来ないような事が出来て、オレはある意味幸せだったのかなぁと思う。

そして目的の駅に着き、改札を出た。


あ、先に待っていたのか。

オレに向かい、手を振っている。

「ゴメンゴメン遅れて」

「んー、まぁいつもの事だからね。何食べよっか?」

「たまには焼き肉でもいいんじゃない?」

「あぁ、いいねそれ!じゃ焼き肉行こっ」

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