半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第2章 集結
ちなみにオレはパーカーにデニム、靴はアディダスのやつだ。
それはみんなに伝えてある。
そうかそうか。ならばフードを被っていかにも的な雰囲気を出して声を掛けてみよう!
恐る恐る近づいた。
背後に回りヤツの服や顔を見ていた。
「泡沫」オレは声を掛けた。
「えっ、裏切りのジョニー?」
「そうだよ、初めましてだよな。おれが裏切りのジョニーだ。まだ他のやつらが来てないな」
おれは【泡沫】と一緒に残りの二人を今か今かとチェックした。
「ジョニー、あの階段降りてくんの【蒼い弾丸】じゃないかな」
なに?そうなのか?
おれは目を凝らしてよく見た目。
青のシャツにデニムも青。ついでに青のニット帽まで被っている。
間違いねぇ、やつが【蒼い弾丸】だ!
おれと泡沫は近づいた。
あちこちキョロキョロしてやがる。
「裏切りのジョニーは泡沫の夢を抱いて今宵もバーボン片手に愛を説くのさ」
後ろを振り返りハッとした顔でオレたちを見た。
「探したぜー、【蒼い弾丸】 初めまして、裏切りのジョニーです」オレは紳士的に握手を求めた。
「うぉ~よかった!まさかこんなとこで会えるとは思わなかったよ」
【蒼い弾丸】も初顔合わせでいささか緊張気味だったが、嬉しそうだった。
残るは後1人、【悲しみのストライカー】だ。
ヤツはまだ迷ってるのかもな。
「アイツじゃね?」
泡沫の指した指先にリュック背負っている童貞臭がハンパない持ち主だ。
オレたち3人はヤツの背後に回った。
【悲しみのストライカーだな】
そう言われるとゆっくりこっちへと顔を向けた。
(おい、オッサンじゃないか、ありゃ!)
しかしSNSでは見た目を気にしないならんのだ!
意を決して3人で声をかけたのだ!
「もしや、ストライカーか?」
「はい、そうです、私が【悲しみのストライカー】です」
オヤジだ…かなり年は上だ。
コイツ一体何歳なんだ?
まぁそれはともかくオレたちは集合した。