半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第28章 失神た(おちた)
?何だ、失神る(おちる)ってのか、オレは野村の言う通り意識を無くしたフリをした。
「ちょっと野村さん、いくらなんでもやり過ぎです!パワハラですよこれは!」
沙織がオレが失神したと思い込んでる。
「ありゃ、頸動脈締めすぎたかな。おぉ~い、仲村、起きろ~」
わざとらしく野村はオレに問いかけた。
「ダメだ!わりぃな、高橋。コイツにお仕置きしようとしたら落ちちゃったwwwとりあえずコイツ起きるまで向こうに連れていくゎ」
そう言って野村はオレを背負い部屋を出た。
「仲村君大丈夫なんでしょうね?」
心配そうに沙織がオレの顔を覗きこんだ。
うぉっ、こんな近くまで顔を!
どさくさに紛れてチューしちゃおうかなwww
いや、そんな事は出来ねえし、やる度胸もない。
しかし、見れば見るほど美人だよな。
薄目で沙織の顔を見た。
目が綺麗だな…
こんな美人が彼女だったらいいんだけどな~。
いかんいかん、こんな女に騙されるな、しかし顔近すぎ!
これ以上失神したふりは出来ねえ!
「高橋、オマエは戻ってろ、後はオレがやるから」
野村はそう言って沙織を業務に就かせた。
しばらくオレを背負い、野村は「おい、もういいぞ」
と言ってオレを下ろした。
「よし、ちょっと早いが飯にしようぜwww」
それってオレを使ってサボりたかっただけじゃないのか~?
このオッサン何考えてんだ?