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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第29章 オレを巻き込むな!


唐突に野村が聞いてきた。

「でもまぁ仕事だから仕方ないっす。高橋さんは先輩ですし」

確かに沙織の下であれこれパシられるのはイヤだけど。

「アイツな、この前新入社員を辞めさせたんだよ」

「えっ、それっていわゆるパワハラってヤツじゃないすか?」

「んー、まぁ新入社員もやる気がなかったんだか、まだ学生気分が抜けなかったのか解らんがアイツが【ヤル気がないなら辞めてもらって結構!】なんて言ったからその新入社員も辞めますっ、てな感じで次の日から来なくなったらしいんだ」

アンタも同じ様なもんじゃないか!

「それって高橋さんが悪いつもりじゃないような気がしますが」

「うん、その新入社員は女だったんだけど、遅刻ばっかしてたらしいんだわ。おまけに仕事中にスマホばった弄って高橋がキレたらしいんだな」

「へー、そんな事あったんすか。高橋さんて前は企画部でしたよね?こっちに来た理由がそれなんですか?」

「うん、まぁそんなとこだ。しばらくはやりづらいとは思うが何とか上手くやってくれよ」

「は、はぁ。まさかこれを言いにわざわざあんな小芝居したんすか?」

「んなワケゃねーじゃん!ただ単に腹減ってここのトンカツ食いたくなったからオマエを誘ったんだよwww」

なんてヤツだ、コイツは!

オレまで巻き込んでサボりたかったのかよ!

「おう、これ食い終わったら風俗行かねえか?」

「はぁ?」

「大丈夫だ、二時間や三時間ぐらい戻って来なくても問題ないからwww」

何つー不良社員だ、コイツは!

「いくらなんでもヤバいですって、高橋さんにバレたらそれこそ辞めろって怒られますよ」

「んー、そうか。んじゃオマエだけ戻れ。オレはちょい時間潰してから戻るから」

ヤル気無しじゃねーか!

何でこんな人が会社にいるんだ?

しかも将来的にはかなりのポストに就くって聞いた事あるが。

まぁとは言え、大企業とは違って従業員数3百人にも満たない中小企業だからな。

にしても、オレ戻ったら沙織に物凄く怒られるのかな…

トンカツ食ってる場合じゃね~よ!

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